生命保険は被保険者に万が一のことがあった場合に、死亡保険金受取人にお金が支払われる金融商品です。
例えば、「契約者:夫、被保険者:夫 死亡保険金:妻」という形態で契約をすると、夫に万が一のことがあると妻に設定した金額が支払われます。
一家の大黒柱がいなくなってしまって大変ですが、金銭面では保険がカバーしてくれるという状況を作ることがきるため、しっかり使うと実に役に立つ商品だと思います。
もちろん自動的に支払われる訳ではないので、妻が保険会社に請求をしないといけません。また告知義務違反などもない場合には・・・ということです。
そして、お金を得ると必ずついてくるのが税金です。
今回は死亡保険金受取人を親にした場合の税金についてです。
お金を受け取ると税金がかかる
日本の税金の制度というのはうまくできていて、お金が入ると必ずと言っていいほど税金がついてきます。
医療保険の給付など非課税のものもありますが、基本的にはすべてにかかると思っておいた方が良いでしょう。
生命保険も同じです。
生命保険金という一般的には大金であろう金額が入ってくるわけですから税金はどうしてもついてきます。
死亡保険金にかかる税金は?
死亡保険金にかかる税金は、契約形態でかわります。
こちらの記事でも違う例を出していますので参考にしてみてください。
契約者 | 被保険者 | 死亡保険金受取人 | 税金 |
父(母) | 自分 | 父(母) | 所得税 |
父(母) | 自分 | 母(父) | 贈与税 |
自分 | 自分 | 父(母) | 相続税 |
死亡保険金受取人が親ということですが、親も父と母がいます。
どちらがどのように受け取るかで変わってしまいます。
上記の表では契約者=保険料負担者という前提で見ていただきたいのですが、一番上は父が保険料を払って父が保険金を受け取っているので、所得税=自分で稼いだ金という見方になります。
二番目は、父が保険料を払って母が保険金をもらっています。
父も母もご存命なので、この場合、父から資産が母に移転したということで贈与税になります。
三番目は、自分が保険料を支払って自分に万が一のことがあり、父または母に死亡保険金が入ったというケースです。
この場合には相続税になります。
誰が保険料を払い、誰が受け取ったのか?という観点で考えるとわかりやすいと思います。
一番最後の三番目の形態が独身の方には起こりえる形態なのではないでしょうか?
私も若い時には「契約者:自分 被保険者:自分 死亡保険金受取人:母」にしている時期がありました。
自分に万が一のことがあった場合の葬儀代程度は用意したいということで、数百円の保険料で契約をしていました。
この契約形態だと相続税ということになります。
では、相続税は一体いくらぐらいかかるのでしょうか??
相続税はいくらかかるのか?
相続は一体いくらかかるのでしょうか?
相続税の計算はちょっとややこしいです。
こちらの東京税理士会のWEBサイトを参考にしてみてください。
相続税の計算ですが、こんな感じになります。
プラスの財産とマイナス財産を合算して、基礎控除を引いて、法定相続分で分けたものとして分割して、そこに相続税をかけて一人頭の相続税を出して、それぞれを合算して、その一家としての相続税を算出します。
これだけでもかなりややこしいですよね。
そして実際に財産を受け取った方の比率に応じて相続税を分けて納税をするということになります。
なかなか理解するのが大変だと思います・・・
ここで重要なのは、まず基礎控除があるということです。
基礎控除は、3,000万+600万×法定相続人の人数となっています。
法定相続人の数は基本的には家族の人数と思っておきましょう。
すると、父・母・子供2人の家庭で父に万が一のことがあった場合の基礎控除の金額は、3,000万+600万×3名(母・子供2人)=4,800万円となり、この金額内であれば相続税はかかりません。
もしこの金額を超える財産を持っている方は、とりあえず早見表を見てみてください。
検索をすればでてきますが、こちらのサイトで確認ができます。
この早見表を見て「この相続税はまずいな・・・」という方は必ず専門家に相談をしましょう。
相続税の相談なので、税理士や保険代理店に相談するのが良いでしょう。
またこの金額以下の場合でも、民法の分割側で揉める可能性があります。
この場合には、弁護士先生や保険代理店に相談をしましょう。
結局、どうなの?
話を戻して親が受け取る場合は、基本的には相続税がかかる契約形態の方が多いでしょう。
そして、その契約形態は独身の場合のみであり、税金がかかるのは数千万以上の財産がある方が対象となります。
税金面では税金はたいていの方はかからずに、分割面では親に渡すので父母が仲がすごく悪いとかでなければ特に対策は必要ない可能性があります。
でも一度はしっかり考えてみましょう!