生命保険の支払方法には毎月支払いをする月払だけでなく色々な支払方法があります。
生命保険の申込書等には「払方(はらいかた)」と言います。
「一括払の方が保険料は安くなるんじゃないの?」
そのとおりです!
生命保険も他の商品と同じように払う金額が大きければ基本的には割引がされます。
払方の種類とは?
払方の種類ですが、毎月支払いをする月払い、
半年に1回支払いをする半月払い、
年に1回支払いをする年払い
とあります。
割引率は保険会社ごとになりますが、月払いより半月払い、半月払いより年払いの方が安くなります。
さらに保険期間の分の保険料をまとめて支払いをする全期前納、そもそも一括払いしかない一時払いもあります。
一括払いという言い方はしないんです。この2つは業界の方でも間違えて覚えている方が多いのでもう少し説明しますね。
全期前納は、例えば年払の契約で10年間保険期間がある契約で、10回支払いをする保険料を最初にまとめて納めてしまう方法をいいます。
前納の場合、保険料は保険会社が預かっている形になり、毎年契約応当日と呼ばれる基準日に保険料として充当されていきます。
最初にすべて支払いはしてしまいますが、預かってもらっているだけなんですね。
それでも割引はされるので少しでも安い方が良いという方は検討してみてもいいと思います。
でも、割引率はそんなに大きくないです。
解約した場合には、充当された保険料は解約返戻金の有無や解約返戻率によって変わりますが、まだ充当されていない保険料は預けられていただけなので返金されます。
一時払は、そもそも一括払い用の商品として作られた商品で最初に支払って終わりです。今は減ってきてはいますが銀行等で多く取扱いがされている商品です。
一時払いの場合は預かってもらってる訳ではないので、解約をすると解約返戻率によってきます。
保険法の改正でややこしくなった?
ちなみに平成22年4月に保険法という改正がされて、ややこしくなっています。
保険法の改正点はいろいろありますが、保険料の払方については「未経過保険料」という仕組みが導入されたことです。
月払いと年払いで見ていきましょう。
月払いは毎月保険料の支払いをします。
年払いは年に1回です。
保険法改正前までは、月払いは支払いをする月ごとに、年払いも年に1回充当されていきます。
仮に解約返戻金という解約時に返すお金の率が50%だとすると、年払いで支払い後すぐに解約をしようが、11か月後に解約しようが50%だったんです。
この点についてはクレームを言う方が多くいたようで、保険法改正後は年払いでも月の経過ごとに保険料が充当されるように変更になりました。月払い契約の1年前納契約みたいな形ですね。
これなら月払いで契約をする意味が全然ないような気がしてしまいます・・・保険料が安い月払いの1年前納払いですから、お得ですよね。
ただしこの改正によって使いにくくなってしまった点もあります。
それは契約者貸付制度です。
契約者貸付制度の詳細についてはまた改めて説明をしたいと思いますが、簡単にいうと契約者貸付は解約返戻金の所定の割合(90%が多い)だけ契約者が保険会社からお金を借りることができる制度です。
保険会社が契約者に貸し付けをする制度ですね。
利息はもちろんかかります。2~3%ほどと結構高めですが、1週間ぐらいで無審査でお金が借りることができるので急な資金需要時には便利です。
で、この制度ですが解約返戻金の所定の割合なので未経過保険料部分については貸付制度が適用されません。
例を見てみましょう。
年払で120万支払うとします。解約返戻率は90%とします。
保険法改正前であれば、年払いで120万支払いをすると解約返戻金は120万×90%=108万円となります。この金額の90%をすぐに借りることができます。97万ぐらいはすぐに借りることができる訳ですね。
保険法改正後はどうなるかというと、年払いで120万支払いをしても、12分の1の10万しか充当されていません。10万の90%である9万円ほどしか解約返戻金がありません。
貸付制度を使えるのは、この9万円の90%の8万円ほどとなります。
貸付制度自体知らない方も多くいますが、うまく利用していた方には結構ダメージがあるかもしれませんね。