生命保険は保険金受取人を指定できる金融商品です。
指定できる人は3親等以内の親族など各保険会社によって規定がありますが、その範囲内であれば自由に設定ができます。
万が一の際にお金を残してあげたい人を指定すればよいですが、その際に気を付けたいのが税金です。
生命保険に限らずお金が動けば基本的には税金がかかると思った方が良いでしょう。
今回は様々な税金がありますが、その中の一つである贈与税についてご紹介していきます。
贈与税が課税される契約形態
贈与税について話をする前に贈与についてお話をします。
贈与とは簡単に言うと「無償であげる」ということです。
民法549条でも贈与についてはしっかりと規定がされています。
贈与税はこの「あげるよ」「もらうよ」という行為に対して、課税をするものになります。
贈与税が一番高い?
税金に関係をした仕事をしている人が認識しているのが「贈与税は高額税」であるということです。
国税庁にも税率表があるので確認をしてみてください。
>>国税庁のWEBサイト
■一般贈与財産用(一般税率)
基礎控除後の課税価格 | 税率 | 控除額 |
---|---|---|
200万円以下 | 10% | - |
300万円以下 | 15% | 10万円 |
400万円以下 | 20% | 25万円 |
600万円以下 | 30% | 65万円 |
1,000万円以下 | 40% | 125万円 |
1,500万円以下 | 45% | 175万円 |
3,000万円以下 | 50% | 250万円 |
3,000万円超 | 55% | 400万円 |
※20歳以上の方が直系尊属から贈与を受けた場合は税率が異なります
贈与税は1年間(1月1日~12月31日)での累計額から計算をします。
基礎控除110万がありますので、「あげた(もらった)金額-110万=課税対象となる金額」となります。
逆に言うと毎年110万未満までは贈与税はかかりません。
また扶養義務者間において生活費や教育費などを通常の生活において必要だと認められるものについては贈与税の課税対象になりません。
国税庁のQ&Aで回答されている内容で、配偶者間や一定の生計を一にするものの間において、通常の日常生活を営むための費用のやりとりは課税対象にならないとされています。
教育費については、教材費や文具費用、通学費なども含まれており義務教育の費用だけではないこともかかれています。
保険料贈与プランは贈与が成立しているのか注意!
生命保険と贈与税の関係で行くと、保険料贈与プランという販売方法が保険会社から一部ですが、案内をされているようです。
保険料贈与プランとは以下のような契約形態のことを言います。
保険料負担者 | 契約者 | 被保険者 | 死亡保険金受取人 |
父 | 子 | 子 | 子の家族 |
父から子に保険料に使うお金を贈与します。
110万円が基礎控除の金額なので、この金額前後で保険料を設定することが多いようですが、渡す側やもらう側、他の税率との兼ね合いで調整をしているようです。
子は父から贈与されたお金で保険の契約をします。
現在はマイナス金利の影響であまり良い保険商品がありませんが、お金が増える商品であれば子供は資産を作ることができるし、父は相続の課税対象となる財産を減らすことができます。
しかし、この贈与プランを成立させるためには、贈与がそもそも成立しているのかということに注意をしないといけません。
贈与は「あげる」という法律行為であり、贈与をされたものはもらった側の自由な意思で使い方などが決定されなければいけません。
つまり父から子に贈与をされた保険料のお金は、子が保険料に使おうが違うことに使おうが自由ということになります。
この点を理解していないと、保険料として使ってほしいと思って父から子に振り込んだ先の通帳を父が管理をするなどの間違った行為をしてしまいます。
これでは贈与をしたということにならないので気を付けないといけません。
贈与は「これをあげるよ。あとはご自由に」という点をしっかり満たす必要があります。
この点をおさえておかないと贈与契約書を作ろうが、贈与税を納税しようが関係なく贈与が成立しなくなってしまいますので注意しましょう。
生命保険と贈与税の関係!保険金に贈与税がかかる?