生命保険は契約者、被保険者、死亡保険金受取人の3名が契約に関係する金融商品です。
被保険者に万が一のことがあった場合に死亡保険金に死亡保険金の請求により設定をした金額が支払われるという商品です。
「契約者:父、被保険者:父、死亡保険金受取人:配偶者または子供」のような契約形態が多く、一家の大黒柱に万が一のことがあった場合に、残された家族に生活費や教育費として設定したお金が支払われるというリスクに対処するための非常に重要な商品です。
今回は、この死亡保険金受取人をとある事情により契約者の兄や弟に設定した場合にはどうなるのか?についてです。
死亡保険金受取人の設定は3親等内
保険会社によって異なりますが、死亡保険金は誰でもなれる訳ではありません。
赤の他人が保険金受取人なってしまうと悪用される可能性があるため被保険者の親族でないと基本的には受取人にはなれません。
範囲としては二親等または三親等内の親族に限られていることが多いです。
親等についてはこちらの記事を参考にしてみてください。
>>4親等内の親族 ※4親等まで書いてありますので、2とか3を確認してみてください。
兄弟姉妹は2親等だから問題なく死亡保険金受取人になることができるでしょう。
死亡保険金受取人は固有の財産
「妻はお金に疎いし、子供はまだ小さいから兄弟を受取人にしておこう」
このような方は少ないかもしれませんが、一定数いらっしゃるようです。
自分に万が一のことがあった場合に、兄弟に死亡保険金が支払われて、そのお金を自分に家族に渡してもらうと考えてのことなのでしょう。
しかし、生命保険は死亡保険金固有の財産となってしまうため原則、死亡保険金受取人の元々持っている財産になってしまいます。
固有の財産ということは、その兄弟姉妹のお金ですよということになってしまうため渡す必要もないとなってしまいます。
兄弟の方が良い人であれば、契約者の意図を組んでお金を渡してくれるかもしれませんが、大金を持つと何をするかわかりません。
また金額にもよりますが、お金を受け取った兄弟の方は税法上は相続税の課税対象となる可能性があり、また受け取った後にお金を渡すと贈与税の対象になってしまう可能性もあります。
かなりややこしくなるのでもし兄弟姉妹を受取人にするのであればしっかり専門家に相談をしましょう。
例外はどのようなケースなのか?
生命保険は、原則、死亡保険金受取人の財産なので分割の対象にはなりません。
しかし、原則ということは例外があります。
この原則論を悪用してお金を持っている兄弟をだまして財産を取ってしまおうという悪い人もいるかもしれません。
明確な規定はありませんが、あまりに不自然なケースや保険金額が相続される財産に対して高額である場合には、相続財産の対象になることも過去の事例ではあるようです。
いずれにしてもあまりややこしい契約形態は避けた方が良いでしょう。