生命保険に限らず金融商品は基本的には自署を求められます。
自署とは自分で自分の氏名を書くことを言います。
最近は外資系を中心に印鑑を求めなくなってきているので、今後は自署(サイン)がメインになってきそうですね。
ただもう少しまたは一部は自署が必要な状況も続きそうです。
この自署が必要なのは、なぜなのでしょうか?
なぜ誰かに書いてもらってはいけないのでしょうか?
今回は自署が必須=代筆禁止についてご紹介します。
代筆はなぜ禁止?
ルールには必ずそのルールが出来た背景があります。
自署必須=代筆禁止にも背景があります。
自署はご本人が申し込みの意思を表明する重要なものです。
仮に代筆がOKになってしまうと、申込書を受け取る側がその方の意思なのかわかりません。
印鑑で判断すればいいのでは?という方もいるかもしれませんが、現在印鑑を求めない金融商品が増えてきていますし、何より印鑑はすぐに100円ショップ等で購入できてしまいます。
申し込みをします!という意思・・・これは自署により確認を取っているのです。
自署だって真似をしたら結局は本人の意思の確認にはならないという意見もあると思います。
保険会社もそのことを理解はしているので、方法は各社異なりますが、契約確認を行って本当に申し込みをしたのか?とか申し込み内容はあっているか?等の確認をすることもあります。
面談申し込みでなぜ代筆が起きるのか?
生命保険は基本的にはきちんと会って契約をいただかないといけません。
一部通信販売で契約できる商品もありますが、基本はしっかり会う必要があります。
しっかり会っているのであれば代筆なんて起きないように感じますが、なぜ代筆が起きてしまうのでしょうか?
代筆が起きてしまう原因についてご紹介します。
生命保険募集人の未熟さ
最近では少なくなってきていますが、生命保険募集人の未熟さにより代筆が発生してしまうことがあります。
契約者の方の手間をかけないように自分で書いてしまう・・・書いてもらったけど記入漏れがあって書いてしまった・・・等々。
もし代筆がバレてしまうと、生命保険募集資格が取り上げられてしまったり、一定期間募集できなくなる可能性があります。
契約者として再度書き直しとなります。
きちんと自署の重要性を理解していればこんなことは起きないはずです。
まだ未熟というだけでなく、世代間の相違もあります。
未熟の一部と言えば一部なのですが、年配者の方が仕事を覚えたころはあまりコンプライアンスには厳しくない環境だったため、「書き漏れがあったらこちらで書けばいいだろう」とか「印鑑をついてもらえれば他はこちらで書いてもいいだろう」と思っている募集人の方も多いようです。
しかし、今はそのような時代ではないため代筆はやめましょう。
契約者の横着と横柄
法人契約や所得水準の高い契約者に多い傾向ですが、「まかせるから書いておいて、忙しいから」と言って自署を拒否する人がいます。
自分は忙しいからこんな書類を書いている場合ではない、ということなのかもしれませんが、契約書の重要性を無視した非常にレベルの低い話だと思います。
自分がする契約の書類をなぜ書かないのでしょうか?
契約書の中身が言っているものと異なったらどうするのでしょうか?
しっかり理解しながら書類の記入をすすめるべきではないでしょうか?
このような傾向をお持ちの方は、時代に取り残されないようにきっちりと記入すべきです。
面倒なのはわかりますが、それは生命保険会社等が考えて改善をすることです。
あなたがこんなの必要ないといって書かないのはおかしいのではないでしょう。
しっかり契約をする大人として自分で丁寧に書くようにしましょう。
面談していない
これはそもそもですが、郵送で書類のやり取りをしたり、預けて後からもらいにいったりという場合に起こります。
正直、現場ではこのようなやり取りは普通にあるのではないでしょうか?
ただ自分の目の前で書いてもらわないのですから、自署をしているかわからないですよね?
非常にリスクが高いことなのでやめましょう。
代筆がバレる理由は?
「代筆をしたってわからないのではないですか?」
確かに代筆が一定割合発生しているとしても、生命保険会社ではほとんどわからないかもしれません。
わからないのでどのぐらいの割合なのかもわかりませんが、きっと一定割合で代筆は起きてしまっているのでしょう。
ただ生命保険会社も代筆を避けるために、書類内の筆跡が一貫して同じか?とか以前の申込がある場合には同じ筆跡になっているか?等を確認しているようです。
すべての契約についてではないにしても、このような取り組みをしているようなのでわざわざ危ない橋を渡る必要もないのではないでしょうか?
代筆をしてしまった罰則は?罪になる?
代筆がばれてしまうとどうなるのでしょうか?
生命保険募集人の方は代筆がばれてしまうと、一定期間または今後ずっと生命保険の募集停止等の処分を保険会社から受けることになります。
内容が悪質であれば生命保険協会に届け出がされてブラックリストに載ってしまうということもあるので、生命保険募集の仕事をずっとやりたいのであれば代筆は避けましょう。
契約者側のリスクとしては契約のやり直し等です。
仮に5月1日に申し込みをして数週間後に代筆がバレて、書類が取り直しになったりすると契約日がずれてしまいます。
保障期間がずれてしまったり、法人であれば経費の計上などのずれが発生する可能性があります。
バレると関係者がすべて大変な思いをします。
代筆は絶対にしないようにしましょう。