「印鑑だけいただければこちらで書いておくからいいですよ~」
生命保険業界では昔はこんなことが当たり前だったらしいです。
今では絶対に考えられないことですね。
でも、昔にこのようなやり取りをしてしまった人は今でもやってしまう可能性があります。
人間は一度やってしまうと大丈夫だと思ってしまうものです。
保険を売る側も入る側も、コンプライアンスなんて言葉じゃなく自分がやるべきことは自分がやる、聞かないといけないことはしっかり聞く、話さないといけないことはしっかり話すということを意識すべきなんでしょうね。
なぜ自署欄の代筆はバレるのか?
その人の筆跡を知らないのになぜ保険会社の査定で代筆がバレてしまうのでしょうか?
代筆がバレてしまった!という方から聞いた内容をいくつかご紹介します。
取扱者の報告書と同じ字だったから
生命保険の募集人は契約書と一緒に、募集人が記載をする「取扱者の報告書」という書類を保険会社に提出します。
この書類は募集人が記載をするため、本来契約者が記入をする申込書類と同じ字だと募集人が代筆をしたことがバレてしまいます。
保険の診査の字と相違していた
申込書の筆跡を募集人が何らかの方法で変えたとしても、診査の書類にある筆跡が契約者本人の筆跡であれば、申込書とずれてしまいます。
診査とは病院や保険会社が提携している医師が訪問して、被保険者の健康状態をチェックする健康診断のことを言います。
この時は医師と被保険者が二人きりなので、自署は当然被保険者が記入をします。
そうすると代筆をした契約書との筆跡相違が出てしまう訳ですね。
途中から筆跡が変わっている
これは非常に微妙なのですが、契約書類の途中から筆跡が微妙に変化していることによって疑いをかけられるケースです。
多いのボールペンのインク切れで違うのを使った場合や、ちょっとした中断があり改めて書き始めるケース等で筆跡が微妙に変わる場合があるので何ともしがたいですが、このような細かな変化まで保険会社はチェックしている場合があります。
代筆がバレるとどうなるのか?
代筆がバレるとどうなるのでしょうか?
契約者側と募集人側でご紹介します。
契約者側
契約者側は再度申し込みのやり直しとなる可能性があります。
前の契約は無効となって再度、書類を書いたり説明を受けたりとしないといけない可能性があります。
場合によっては書類の差し替えだけという可能性もありますが、自署欄は重要な記入箇所なので再度申し込みしなおしとなるでしょう。
振込手続きをすでにしているなどの場合には、返金して再度振込となることもあります。
手間ですね。。。
募集人側
募集人側は経緯を色々と確認された上である一定の処分となるでしょう。
内容によって、保険会社によって対応は異なりますが、場合によっては「生命保険の募集活動が停止」になってしまったり、悪質だと大きな問題になり、生命保険協会にブラックリスト入りして今後生命保険のお仕事はできなくなる可能性もあります。
特に事業主の方は注意をしましょう。
自分は絶対しない!と思っていても、従業員の方がしてしまうケースもあります。
コンプライアンス意識を徹底することはご自身のお仕事を守ることにもつながりますので気を付けましょう。