「社会人なんだから生命保険ぐらい入っておいた方が良い」
これは私が社会人になったばかりのころに、ある生命保険募集人から言われた一言です。生命保険会社名等は伏せておきますが。
私はこれを聞いたときに「なぜですか??」と素直に疑問に思っていってしまいました。本当に素朴に「社会人=生命保険契約」がわからなかったのですが・・・そうするとちょっとムッとされて「社会人にもなって自分の責任を取らないのはおかしい」と言われました。確かにそうだなとは思いましたが、今度は責任って具体的には?って疑問が浮かんできました。
その時はムッとしたその人に聞くことはありませんでした。「考えてみますね」と言って話は終わりました。
社会人になったら生命保険にははいるべきなのでしょうか?そもそも生命保険は入るべきなのでしょうか?入るならどのタイミングなのでしょうか?
生命保険の根本的な機能
日本は生命保険の加入率が非常に高い国です。
公益財団法人生命保険文化センターの調べによると、全体で平均して80%が加入をしています。10年以上前は90%を超えていたのでかなり加入率は下がっていますが以前として10人に8人が契約をしている訳ですから高い確率で契約をしていることになります。
この高い加入率からなのか「生命保険は入って当然」という空気を感じます。
生命保険はリスクに対処するための商品
生命保険に入るかどうかを検討する前に、生命保険の機能を理解しないといけません。お金を払うということはそれ以上の価値を感じたり、必要性があるから払う訳ですから。
生命保険の機能は経済的なリスクに対処するためというのが第一の機能です。お金が貯まるとかは第二以降の機能です(マイナス金利の現在ではこの機能は無いもののような気がしますが)。
あくまで経済的なリスク、つまりお金の面でのリスクに対処する商品です。
まずは経済的なリスクの把握から
経済的なリスクというのは、自分に万が一のことがあったら遺族が生活に困るとか、自分が病気になったら医療費で困るとか、老後の資金で困る可能性があるとか、お金に関するリスクです。
気持ちの良いものではありませんが、自分や自分の周りの人に万が一のことがあった場合、どのような状況になるのかを考え、話し合う必要があります。
当時の社会人になったばかりの私はというと、もちろん万が一のことがあったらたくさんの人が悲しんでくれたと思いますが、金銭的には独身でしたし、葬儀費用分ぐらいの貯金はありましたし、投資が好きだったので貯蓄はそちらでやっていましたし・・・と、生命保険に入る理由がありませんでした。
だから「なぜ??」と疑問に思ったんだと思います。そこまでどう思ったかは覚えていませんが・・・
ちなみに今は家族もいて守るべき人がいるので、しっかり計算して保険に入っています。
すでに用意済みのものは準備不要
この点が非常に忘れがちですが、仮に金銭的リスクが1,000万あっても、あなたが資産として1億円持っているのであれば保険は必要ないです。
保険会社に起こる可能性が低い自分の万が一について、1,000万の保障のためにお金を払うのは無駄ですよね?
ここまでの資産家の人は少ないと思いますが、貯金で300万あるとか、会社の退職金制度でいくらかもらえるとかであれば、金銭的リスクから差し引きしましょう。生命保険はあくまで万が一のときに残された方々が困らないようにするための商品です。
何も儲けさせてあげる必要はありません。
なぜ?と常に問いかけることが大事
生命保険の募集人はあなたより生命保険について詳しいので、どんどんあなたにリスクの話をして契約をさせようとします。悪気がなく知識が不足していてどんどん進めてくる人もいるため注意しましょう。「あの熱心さなら大丈夫!」ってのは危ないですよ。
ポイントは「なぜこの保障額が必要?」「なぜこの期間?」と疑問点を解消して、根拠をしっかり記録に残せるぐらい明確にすることです。
最終的に「この募集人が好きだから」ってのもありだと思います。人間ですから。それもどこかに記録しておきましょうね、人間は忘れる生き物ですからね。