生命保険の機能は大きく分けて2つあります。
「保障機能」と「貯蓄機能」です。
今日はこのうちの貯蓄機能についてご紹介します。
なぜ生命保険でお金が貯まるのか?
そもそもなぜ生命保険でお金が貯まるのでしょうか?
生命保険は本来、万が一のことがあった場合に保険金という給付を受けることができる金融商品です。
お金が貯まる要素は一見ないように見えますね。
生命保険でお金が貯まる仕組みは、前払い分の保険料によるものです。
ここに30歳の男性がいるとします。
この男性が終身保険や99歳満了などの長い定期保険を選択するとします。
保険は本来年齢によって死亡リスクが異なるため保険料が異なりますが、保険料は基本的には一定の金額に保たれています。
年々保険料が上がっていく保険は基本的には好まれないからです。
この30歳の男性が40歳、50歳、60歳と年齢を重ねると本来はリスクが増加するので保険料は上がっていきます。
しかし、前述の通り上がっていくのは好まれないため、後からかかる保険料を先にもらって平準化しているのです。
この先にもらっている分の保険料というのが解約返戻金です。
保険会社が後半にリスクをとればとるほど解約返戻金の率は高くなるのが一般的です。
例えば60歳以降からは保険金が倍になる!などの保障であれば解約返戻金の率は大きくなります。
これが保険商品でお金が貯まる仕組みです。
予定利率は運用利回り??
「予定利率が高い商品なので、定期預金と比べてもお得!」
このように考えて保険商品で貯蓄をする方もいるようです。
またこのような話法で販売している営業の方もいると聞いたことがあります。
しかし、比較するのであればモノサシは同じものを使わないといけません。
予定利率と金利は同じものなのでしょうか?
予定利率と金利や運用利回りは異なる指標です。
予定利率とは、保険会社が資金を運用する上で約束している利率のことです。
あくまで想定上の利率ですし、保険会社の経費などを引いた金額が運用に回るので、あなたが出した保険料1万円全てが運用に回る訳ではありません。
もっとも生命保険会社の設計書には解約返戻率がしっかりと明記されているので、予定利率関係なく払った額と戻ってくる額がお得かどうか自分で計算をしてみましょう。
お得かどうかはその人の基準によるのでなんとも言えません。
9割戻ってこれば保障もあるから良いという人もいれば、10割も取らないと!と考える人もいます。
自分で判断をしましょう。
貯蓄型をなぜ勧めるのか?
年配の方で生命保険の貯蓄型を勧める人が多いです。
実際に私も親から昔に勧められたことがあります。
これはバブル期の日本の生命保険を想定したうえでの発言であることが多いです。
予定利率は金利の影響を受けます。
基準となる金利が高ければ保険商品の内容も良くなります。
勧めてくれるのは善意であることもあるので自分でしっかり判断をするようにしましょう。
貯蓄型がおすすめな人
ここまでの話でいくと、今の低金利の状況では生命保険で貯蓄をするのは良い選択ではないという結論になります。
実際に私自身もそう思います。
しかし、生命保険で貯蓄をした方が良い人もいます。
それは、「貯蓄が下手、運用がわからない」という人です。
貯蓄が下手はそのままですが、運用が下手というのは株式投資や投資信託などを利用して自分で運用ができないという人です。
定期預金や生命保険の解約返戻率以上に自分で運用ができる人は掛け捨て保険+自分で運用を主にすると良いでしょう。
ただ生命保険もお金が貯めやすいという要素はあるので一定額だけ利用するのも手です。
自分自身にあった方法で利用してみましょう。