生命保険の保険料が高いとか安いとか色々な感覚をみなさん、それぞれがお持ちだと思います。
「こんな保険料でこんなに保障があるの!?」
とか
「こんな普通の保険なのにこんなに高いの!?」
なんて思うこともあるかもしれません。
今回は、保険料の基本的な仕組みについてです。
生命保険料の仕組み
生命保険料は保険会社の言い値ではなく、計算によって導き出されています。
もちろん言い値=利益上乗せの部分もありますよ。
でも基本的には、「死亡率」「予定利率」「事業費率」によって保険料は決まってきます。
死亡率
生命保険は万が一のことがあった時に保険金を受け取ることができる金融商品です。
生命保険は死亡率によって保険料が大きく変わります。
死亡率が高い=保険会社が保険金を払うリスクが高い=保険料が高いとなります。
そのため年齢が高い方や、病気持ち、一般的には女性より男性の方が保険料が高くなります。
死亡率は医療の技術の進歩によって年々下がっているので、保険料も下がる傾向にあります。
予定利率
保険料の一部は運用に回ります。
その運用の利率を予定利率と言います。
予定利率についてはこちらの記事を参考にしてみてください。
>>生命保険の主契約の予定利率とは運用利回りとは異なる?
予定利率は各保険会社の保険商品ごとに決まっています。
高い商品もあれば低い商品もあります。
政策金利が高い時は高いですし、低い時は低く設定されています。
予定利率が高い=運用益がたくさん保険会社に入る=その分保険料を安くできる、という流れになります。
予定利率が低い場合はこの逆です。
マイナス金利に突入して保険会社は長期の運用を必要とする商品から稼ぐことがほぼできなくなりました。
金利が上昇すれば保険料は下がるでしょう。
金利が上がるか下がるかは色々な意見がありますが、上がるときは一気に上がりそうですね。
事業費率
事業費率とは、保険料のうち運営元である保険会社に回るお金です。
最近は本社を一等地から移転をしたり、地域限定社員をいれて従業員コストを抑えている保険会社が増えてきました。
企業努力によって経費をカットして、その分保険料を安くすることができます。
ウェブ販売のライフネット生命などが安い理由もここが関係しています。
保険料が安いというのはどういうことか?
生命保険の保険料を前述の中で3つの比率に分解をしました。
では、「保険料が安い!お得!」というのはどういうことなのでしょうか?
お得な状態というのは存在するのでしょうか?
保険料が安いということは、死亡率(発生確率)が低い、運用益が大きい、事業経費が少ないということになります。
運用益が大きいは昨今の状況だとなかなか望めないので、死亡率か事業費率に起因していると言えるでしょう。
事業費率はどの会社も頑張って削っているでしょうが、傍目からするとネット系の会社に軍配が上がりそうです。
ただなかなか保険料がグーーーーんと下がるほど削るのは難しいでしょう。
そうなると死亡率の部分です。
死亡率が低い=あまり起こらないこと、ということになります。
保険料が安い!といって入っても起こらないことであれば無駄になります。
ただ起こってしまうと確率も何も関係なので、その事柄が発生するのか、発生したら対応できないのか、という点を検討してみましょう。
この「ほぼ起こらないであろうリスク」についてどう対応するかは個人のリスクの考え方によると思います。
一つの選択基準として、それが起こった時に自分ではなく大事な人たちの人生まで台無しにしないか、というのも考えてみる価値はあると思います。
保険料が高いということは?
保険料が高いということは「起こる可能性が高い」ということです。
万が一のことが起こる=保険会社は保険金を支払う=保険料を高く設定しないと!となります。
だから若い人よりも年齢が高い人の方が保険料が高いのです。
他には「お金が貯まる仕組み」になっている保険は保険料が高いです。
保険金を支払う理屈と同じで、保険会社は解約をされると貯まったお金=解約返戻金を返します。
だから多くお金をもらわないといけないということになります。
解約返戻金がある保険がいいかどうかはあなたの運用手腕の有り無しによって左右されます。
保険で貯めなくても投資をすれば稼げる!という人は保険は最小限にして、運用をした方が良いでしょう。
投資なんて怖くて・・・という人は、保険を活用するのも手でしょう。
でもインフレとかを考慮すると投資は多少勉強した方が良いとは思います。
保険金と保障期間と保険料の関係
当然ですが、保険金額の設定が大きくなると保険料は高くなります。
100万円の保障よりは、1億円の保障の方が高くなります。
また保険期間が長い方が短いよりも保険料は高くなります。
30歳の方がこれから10年以内に亡くなってしまう確率は低いですが、65歳満了とすると亡くなる確率は10年以内よりは高くなります。
つまり保険会社が保険金を支払う可能性が増えるということです。
保険期間が短い方が良いのか?長い方が良いのか?はこちらを参考にしてみてください。
>>【徹底検証】生命保険の更新型は本当に損なのか?
まとめ
保険料が安いということは、発生する可能性が低い、お金はもらえない可能性が低いということ。
保険料が高いということは、発生する可能性が高い、お金をもらえる可能性が高いということ。
医療保険等は保険料が安いからもらえる可能性が低いとなりますが、それ以外の安心感や先進医療等の起こってしまうと大変な金額になるということもあります。
リスクをどこまで負えるのか?万が一のことがあって残された人は困らないか?代替案はあるのか?など総合的に判断をしたいですね。