生命保険業界はここ数年でかなり色々なことが起きています。
募集人の適正化問題
体制整備
法人損金商品の規制
・・・
これからの保険業界の動向についていろいろな人からの意見を踏まえて『個人的な見解』を書いていきたいと思います。
今までは緩和傾向に!
今後の動向を踏まえる前に今までの保険業界の流れをおさえておきたいと思います。
個人保険・法人保険問わず「マーケットを広げる」ために色々と緩和されてきたのが今までの流れではないでしょうか?
健康状態が悪くても入ることができる保険や、引き受け限度額の拡大化、告知枠の拡大化等々が進んできた印象があります。
自由に手を広げていたところに待った!がかかった感じでしょうか?
新規強化から保全強化?
保険会社の方からは今後は「保全業務」が強化される傾向にあるという話をよく耳にするようになりました。
今まではとにかく「新契約」。
とにかく新しいお客さんを連れてこい!って流れだったのが、今後は「入ってくれたお客さんを大事にしましょう」という流れに変わってきているようです。
ちなみに今までも大事にしていたのだと思いますが、数値目標等を新契約だけではなく保全分野にも広げるようなイメージのようですね。
減少する募集人
生命保険の募集をするためには資格が必要になります。
この資格を一般課程資格と言いますが、この資格が非常に難易度が低くて簡単なんです。
簡単だと募集人はどんどん増えて今ではかなりたくさんの募集人がいます。
詳しくは書きませんが、募集人の適正化や体制整備という規制が生命保険業界に入り、保険会社の事情も踏まえて今後は「募集人は減少」する傾向にあります。
きちんと生命保険を売る実力があって、会社としてもしっかりしているところが残るように進んでいっているようですね。
これは提案を受ける側としてはいい話ですし、生命保険をきちんと販売している人にとってもいい話でしょう。
今までちょっと提案すれば売れて儲かってた・・・なんて人は損害が大きいかもしれないですね。
手数料開示はどこまで進むのか?
そのほかにもよく話にでる手数料開示の話。
生命保険は販売をすると保険料の一定割合を手数料として受け取ることができます。
この手数料は商品によって割合が異なっています。
詳しくはこちらの記事をどうぞ。
>>生命保険の代理店手数料率って何?どのぐらいの率なの?
この手数料をお客様に開示しようというのが手数料開示。
「あなたがこの商品に入ったら私はこれだけもらえるんです」ってことですね。
生命保険の募集の適正化の一環としてこの話がでているのですが、手数料を開示したら本当に募集の適正化がされるんでしょうか??
手数料率だけを基準にして販売をしている業者は確かに減るかもしれませんね。
でもお客様としては手数料を見せられても・・・何?ってなりませんか?
銀行でも小売りでも何でもいいんですが、「私はこれだけもらうんですよ」なんて情報は欲していないと思うのですが・・・
開示しないといけないくらい良くない販売が横行しているということなのでしょうか??
一部では手数料開示が進んでいるため今後は開示の方向で進んでいくのでしょう。
生命保険会社のビジネスモデルの転換期
生命保険の募集ができるのは一部の会社、保全をしっかりメンテナンスして、しっかり適正な方法で新契約を販売していく・・・・という流れになってくると今の生命保険会社のビジネスモデルだと厳しいかもしれませんね。
新契約の一定基準を設けることによって新契約を獲得し、その一定基準にとどかないと条件を悪くしたり辞めてもらったりする仕組みなのでどうしても新契約重視になってしまいます。
手数料の割合としてもほぼ新契約時に発生するため保全をしっかりやるという動機付けがなかなかされません。
簡単な一般課程試験で低リスク(初期投資額が小さい)で始めることができるビジネスなので、かつ保険会社も一定の販売者数をかかえることによって新契約が増加するという傾向があります。これだと仕事の質を問うことが難しいでしょう。
今後、この辺りがどのように変わっていくのでしょうか?
保険業界は変化の時をむかえているのはないでしょうか?