ネット生保ができて10年超となりました。
その当時はかなり騒がれて、既存の生命保険会社に大きなダメージが出るのではないか?との話もありました。
実際にはそんな状況にはなっていません。
今回はネット生保についてです。
ネット生保といえばライフネット生命
ネット専業の生命保険会社といえばライフネット生命です。
2008年に誕生した時は大分話題になりましたね。
現在ではテレビCMをよく見かけます。
アクサダイレクトもライフネット生命のすぐあとにサービスを開始しているので、この2社がネット生保の有名どころと言えるでしょう。
契約件数はどうなっている?
当時、話題になったライフネット生命の契約件数を概算ですが見てみましょう。
2008年 5,000件
2009年 2万3,000件
2010年 6万3,000件
2011年 11万8,000件
2012年 16万9,000件
2013年 20万3,000件
2014年 21万5,000件
2015年 22万5,000件
見てのとおり最初は目を見張る勢い契約件数が増えておりますが、2013年から横ばいになっています。
ライフネット生命側は「震災があり、保険はやはり人だという意識が広まったのだと思う」と言っています。
でも実際にはどうなのでしょうか?
ネット生保の限界?
ネット生保は利便性などの面で強みがありますが、ネット生保の限界もあるように思います。
一部、個人的な考えも入ってきてしまいますが、以下に記載します。
生保の知識が深い人のみが使える
生命保険は、商品の選定ももちろん大事ですが、その前のプランニングが大切になります。
つまり、「あなたのリスクはここです、だからこの金額が必要ですよ」というところがないと商品の選定自体ができません。
通常は生保営業担当者や代理店が、このプランニングを行いますが、ネット生保ではこのプランニングをカバーするのが困難です。
最初は自分で自分のリスクを計算できてプランニングができるような方が殺到をしましたが、そのような方は少ないので、契約件数が横ばいになってしまったのではないでしょうか?
認知がされにくい
営業担当者がいる生命保険会社であれば、その方自体が提案先を求めて営業活動をするので生命保険会社の認知が自然とされてきます。
その上、大手生命保険会社等は資金力があるのでテレビCMなども行うのでさらに認知度が上がってきます。
しかしネット生保だと通常の生命保険会社と比較をして、この営業活動による認知活動が行われないために、そもそも会社名を知ってもらうのが難しくなってきます。
自分で情報を取りに行くような人しかネット生保にたどり着かない可能性があるということになります。
広告費がかさんで保険料が高くなる
認知度を上げるために今、ネット生保が行っているのがテレビCMです。
テレビで簡単に見積もりが取れるという点をメインにしてコマーシャルをやっています。
このコマーシャルを継続していけば確かに認知度は上がってくるでしょう。
しかし、今後はネット生保の強みである経費が低いという部分に影響をしてきます。
他生命保険会社と異なり、営業員の人件費もないし、店舗もないから低コスト=安い保険料という理屈が崩れてしまいます。
事実、ネット生保は保険料が安いですが、年齢帯によっては他の生命保険会社と同等だったり、他の生命保険会社の方が安い場合があります。
まとめ
生命保険等の金融商品は、商品ありきではなく「入るための計画や提案内容」が大切だいうことになります。
いくら簡単に契約できると言われても、自分がいくらぐらい何に入ればよいのか?がわからないと生命保険の契約は難しいということですね。
まだまだネット系生保の課題もありますが、きっとどんどん利便性が高くなっていくのでしょう。