生命保険の相続関係の提案でよく耳にするのが贈与プラン。
贈与プランって本当に良いのでしょうか?
今日のはこの贈与プランについてご紹介します。
贈与とは?
そもそも贈与とは何でしょうか?
贈与とは民法上、「無償で物などをあげること」を言います。
Wikipediaでは以下のようになっています。
贈与が成立するためには、「あげるよ」「もらうよ」というお互いの合意が必要です。
さらにすごく大事なのが「あげるよ」ってことは、自分はもうそのもの自体には関与ができない状態であることを言います。
「もらうよ」って側が自分の意志でそのもらったものを自由にできる状態でないと贈与が成立しません。
このあたりはすごく大事です。
お互いの合意が必要、もらった方がその財産を自由にできる状態・・・これが大事です。
贈与に対する税金は?
民法上は、「無償であげる」ことは問題ありません。
お互いが合意をいい訳です。
しかし、税法上は違います。
税法上は、「得をしたなら一定割合税金で支払ってください」ということになります。
贈与ももちろん同じです。
110万の基礎控除(この金額なら税金がかからない)がありますが、1月1日~12月31日までの間に110万円を超える評価額のものをもらったら、もらった方が税金の申告をしないといけません。
気を付けましょう。
生命保険の贈与プランって何?
生命保険の贈与プランって何?って話ですが、贈与をするものは保険料相当額です。
親と子で例をあげてみましょう。
親が資産家でお金をたくさん持っています。
このままいくと相続税もたくさんかかるから対策をしたいとなったとしましょう。
そうすると税法上は財産を減らせればいい訳ですから、贈与であげてしまえばいいということになります。
そこで毎年子供に110万の基礎控除の金額ぐらいで贈与をします。
こうすると、10年間で1,100万の財産移転ができます。
子供が複数名いれば、2倍3倍と効果が出てくるわけです。
生命保険はこのお金をもらう子供側で登場します。
子供はもらったお金ですから、散財してしまう可能性があります。
なのでそのお金を使って解約返戻金のある生命保険に契約をします。
そうすると、この子供には保障もついて解約返戻金という資産も作ることができるという訳です。
契約形態は、「契約者:子供、被保険者:子供、死亡保険金受取人:子供の配偶者」。
こんな感じが多いと思います。
生命保険の相続対策の定番と言えるでしょう。
生命保険・・・いる?
ここで考えないといけないのが、贈与して子供がお金の管理をしっかりしてくれるのであれば生命保険は要らないってことです。
最近では、お金が増える生命保険の商品はすごく少ないですから違う方法も検討した方がいいと思います。
「保障がいるだろう!」って言われそうですが、もともとの目的は保障じゃないのですからそこを押しても仕方がないような・・・
生命保険は安定して長く続けることができる商品なので、その点を考慮して多少減っても仕方がないと思うのはありじゃないかなと思います。
贈与・・・成立していますか?
最後に、もっとも重要な点です。
贈与が成立するためには、「お互いの合意が必要、もらった方がその財産を自由にできる状態」って書きましたね?
保険料贈与プランだとこのどちらにもなっていないケースがたくさんあります。
まず合意の件。
子供に何も言わずに振込をしていることがあったりします。
子供も親からのお金だからあまり気にしないのでしょうか?
これって贈与成立要件を満たしていない可能性がありますよね。
次に財産を自由にできる状態の件。
親が子供の通帳や印鑑を抑えてしまっているケースです。
これって贈与が成立しているとはいけないでしょう。
「通帳を渡してしまうと使ってします。」
このように言う方がいますが、贈与であげるってことは「どうぞ自由に」ってことですから違う方法を考えた方がいいかもしれません。