生命保険は、一家の大黒柱であるご主人等に万が一のことがあった際に経済的に困らないように用意をしておく金融商品です。
契約する金額や保険種類について「一般的には・・・」とか「平均的には・・・」というのは参考にはなりますが、あくまで参考です。
各個人・家族それぞれ持っている資産もリスクの許容度も異なる訳ですから必ず契約をする際には自分で計算をしてみましょう。専門家の助けをかりるのも非常に重要ですが、あくまで自分で計算をするというのが大事です。もしくは計算をしてもらってその計算根拠をしっかり説明してもらいましょう。
4人家族をモデルケースに考える
ここでは40歳夫(会社員)、40歳女性(専業主婦)、7歳の男の子、5歳の女の子という世帯をモデルとして考えていきたいと思います。
この家族の現在の貯蓄額は500万、持ち家(住宅ローン毎月10万で65歳まで)、1カ月の生活費40万、子供の学費は各1,000万円が必要であるとします。各自各々の資産と負債などをしっかりと書き出して、学費なども相場でいいのでしらべてみましょうね。
このケースでは会社員である40歳夫が亡くなった場合を想定してシミュレーションをしてみましょう。
いくら保険金額が必要なのか?
まずはこの夫が今亡くなった場合に、いくら今後この家族は必要となるのかを考えてみましょう。
まず夫が亡くなると生活費40万円がはいってこなくなります。生活費はまず今後配偶者が年金生活になるまでを想定します。年金の受給年数は変化していますが現行の65歳としましょう。そうすると40万×12カ月×25年=12,000万となります。かなり大きな金額ですね。ここで夫がいなくなったのだから夫の分を差し引きするために80%程度として計算をしましょうというのが一般的ですが、これはその家族次第だと思います。夫があまり使わないのであればそこまで引けないですし、食費などがいきなり大きく下がるとは思えませんのでご注意を。このシミュレーションではこのままの金額で計算をします。
次に配偶者が年金生活となる65歳以降を計算します。妻1人で生活をするとなると住宅も持ち家として存在しているため20万~30万程度の生活費として計算をします。女性の平均寿命である90歳までで計算をすると30万×12カ月×25年=9,000万となります。
また子供の学費もこの夫の稼ぎから貯めていたので今後必要だる2,000万円を作る原資もなくなります。
すべて合計すると、12,000万+9,000万+2,000万=23,000万となります。かなり大きな金額になってしまいます。
補填される部分、かからなくなる費用、稼げる金額は?
夫がなくなったら上記のような金額が計算上は必要になりますが、差し引きできる部分があります。
貯蓄金額
まずはすでに用意できている貯蓄金額を差し引きします。500万が用意されています。
遺族年金
次に公的保障である遺族年金を差し引きします。月15万として計算します。細かい点は今回は省きますので、妻が年金をもらえる65歳までで計算をします。15万×12カ月×30年=5,400万となります。
年金
こちらも65歳から月15万として計算をします。15万×12カ月×25年=4,500万となります。
住宅ローン分
住宅ローンに団体信用生命保険がついていれば、夫の死亡とともに住宅ローンは保険によって返済されます。よって、生活費のうちの10万×12カ月×25年(65歳までのローン)=3,000万は準備不要となります。
妻の稼ぎ
この点を見落としてしまうことが多いですが、夫が亡くなった後、妻は全く稼ぎがありませんか?子供の世話でフルタイムは難しいかもしれませんが、パートやバイトはできるのではないでしょうか?時給1,000円で1日5時間、週3回で60,000円の稼ぎになります。これを65歳まで続けることができるのであれば、60,000円×12カ月×25年=1,800万円になります。
すべてを合計すると5,00万+5,400万+4,500万+3000万+1,800万=15,200万となります。
差し引きをすると必要保障額が!
必要となるお金が23,000万、入ってくるお金が15,200万となると、差し引きをすると7,800万となります。最初2億円となってびっくりするかもしれませんが、入ってくる分をしっかり計算をすると十分なんとかなる金額にまで落ち着きますね。
見直しが重要!
上記の金額で生命保険の契約をしたから安心!とかにしないでくださいね。日々必要な保障額は変動しています。また用意できる金額も増えていきますよね。貯蓄が500万から1,500万(大きなボーナスが!ってあまりないですかね)に増えればその分は保険を解約・減額すればいい訳ですから。
逆に年金制度が改悪などされると増額しないといけない可能性もあります。
年に1回程度はしっかりと見直しをしましょう。